クリアファイル の 白版 とは?? 作り方のポイント も解説。
アクセス解析を眺めていると、 “白版の作り方について” というページへのアクセスが意外に多い。
これは、もしかして“白版”のことが調べたくて検索している人がたくさんいるのでは??という勝手な判断のもと、今回は“白版”について書きたいと思います。
そんなに突っ込んだことは書けないけれど、“白版”をつくる際の参考になればと思います。
そもそも、“白版”とは何のことで、なんで必要なのか??ってところから始めましょっか…。
おっとその前に“白版”の読み方ですが、“しろはん”と読みます。“しろはん”です。
■白版はなぜ必要…?? それは、素材が透明だから。
そう“透明”だからなんです。紙に印刷する場合は印刷されない部分は白くなりますが、PPシートなどの透明素材の場合、印刷しない部分は白ではなく“透明”になります。印刷された絵柄の部分も、同じく透け感のある仕上がりとなります。
クリアファイルを印刷するオフセット印刷は、非常にインキの膜厚が薄く、濃い色を印刷しても不透過(不透明)にすることができません。(※インキ=一般的にはインクですが、印刷業界特有の呼び方です)
左が「全面に白色」を印刷、右が「部分的に白色」を印刷したクリアファイル。
白色を全面に印刷している左は、背景の木目が透けていない。
■透明素材なのでクリアファイルは裏側から印刷する。
クリアファイルは裏面(仕上がった状態での内側)から逆像にて印刷します。つまり、表面から見えるカラー(CMYK)を先に印刷して最後に白色を印刷します。よく“白引き”とか“白押さえ”とか“白打ち”なんて呼ばれています。その“白引き”したい部分の“版”(=データ)のことを“白版”と呼びます。
■白版を最後に印刷して、表面から見るとくっきり!!
裏面(印刷した面)から見ると、白色を一番上に印刷しているので白く見えますが、ひっくり返して表面から見ると、白が透けるのを防ぎ絵柄がくっきりと見えます。白版が無い部分は透け感のある仕上がりとなります。
中を開いてみると…
左(全面に白色を印刷)は白く、
右(部分的に白色を印刷)は裏面も表面と同じ色で木目が透けて見える。
■白版は透けさせたくない絵柄部分から、はみ出さないようにするのがポイント。
白版の作り方ですが、全面に白色を印刷する場合は何も考えなくていいです。塗り足しを含む全面のベタ版をご用意ください。
部分的に白色を印刷する場合は少し注意するべき点があります。それは表面から見た時に白色が絵柄からはみ出さないように、少しだけ、ほんの少しだけ絵柄よりも小さくするということ。この辺は “白版の作り方について” に詳しく書いてあります。(クリスタはサポート外ですゴメンなさい!!)
あと、まれなケースですが “白版” だからでしょう、 “白” で塗り設定されたデータが入稿されることがあります。
これだとデータ上でぱっと見確認することができないですし、トラブルのもとにもなりかねませんのでご注意ください。
“白版”のデータは、スミベタ(黒)で作成してあれば大丈夫です。(白色をベタで印刷するのでデータもベタで作成します)
透けさせたくない部分は白色をその部分だけ印刷。
白版は白色がはみ出さないように色部分より少し小さく作る。
■透け透けな仕上がりを求めるなら白版は必要なし。
全面透け透けにしたい場合は白版を準備する必要はありません。逆に全面に白色を印刷したい場合には“全面ベタの白版”をご用意ください。
余談ですが、インクジェットプリンターで印刷するアクキーなんかも理屈は同じです。
これも部分的に白色を印刷したもの。
裏面から見たところ。写真のように白版は “ぼかし” を入れることも可能。
どうでしたか??少しはお役に立てたでしょうか??
最後にポイントをまとめます
白版とは、白引きしたい部分の“版”のこと |
クリアファイルは裏面から印刷される |
白版は最後に印刷される(通常のクリアファイルの場合) |
白版は絵柄よりほんの少しだけ小さくする |
白版のデータはスミベタ(黒)で作る |
でも、調べても調べてもよくわからない時は……潔く問い合わせることをおすすめします!
その際には、内容がわかるように一度データを入稿するとやり取りがスムーズかと思います。
以上、長文になってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございます。