【保存版】エコな素材も充実のクリアファイルの素材について調べてみた
以前書いたこちらのブログ。
「エコ素材」を使用したエコクリアファイルについて書きました。
エコ素材…そうリサイクル率100%のPP高透明を使用した環境配慮タイプのクリアファイル。
そのエコクリアファイルの素材として、新たに再生PP(高透明では無く普通の)と再生PETが追加されました。
そこで今回はより充実したエコ素材について触れてみたいと思います。
でもその前に、クリアファイルの主な素材についてざっくり知っておきましょう。
●オリジナル クリアファイルの多くがPP(ポリプロピレン)製
これはもう言うまでもないと思いますが、ほぼPP製です。
時々というか、たまにPET(ポリエチレンテレフタレート)をご指定いただく場合もあります。
そこで、この2つのプラスチック素材の特長などについて調べてみました。
まずはPP。
PPはクリアファイルや100均で見かける乳白色の透明ケースなど、生活雑貨に数多く使用されています。
リサイクルしやすく、燃やしても有害なガスを発生しないなど環境に優しいプラスチックといえます。
クリアファイルや弊社のオリジナル商品の多くは、このPPを使用して作られます。
【PPの特徴】
●軽い
●折り曲げに強い
●リサイクルしやすい
そしてPET。
PETといえばペットボトルを想像してしまう人も多いと思いますが、実は洋服などの繊維として使用されることの多いポリエステルもPETの一種だそうです。
原料は石油ですがPETはPPと比べて空気(酸素)を多く含むため石油依存度が低いプラスチック(合成樹脂)といえるとか。
【PETの特徴】
●透明感が良好
●耐熱・耐寒性に優れる
●燃焼時の発熱量が少ない(PPの約1/2、紙と同水準)
PPとPETそれぞれの特徴が分かったところで、現在弊社が取り扱っているクリアファイルの素材について表にまとめました。
再生率 | 透明度 | 色 | 柔軟性 | 印刷鮮明度 | エコマーク表示 | グリーン購入法適合 | |
PPナチュラル | ー | △ | 乳白 | ◯ | △ | ✕ | ✕ |
PP高透明 | ー | ◯ | 透明 | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
再生PP | 40% | △ | 乳白 | ◯ | △ | ✕ | ◯ |
再生PP高透明 | 100% | ◯ | 透明 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
再生PET | 50% | ◎ | 透明 | △ | ◎ | ✕ | ◯ |
※上の2つが普通のPP(再生では無い)、その下2つが再生PP、一番下が再生PETです。
※エコマークの表示は再生率70%以上、グリーン購入法には再生率40%以上が適合します。
再生PPには普通と高透明の2つのタイプがあります。違いは透明度だけでなく再生率やエコマーク表示などにも違いがあります。
因みに普通のPP(ナチュラル)と再生PP(再生率40%)は見分けるのが困難なくらいそっくりです。
一方、PP高透明と再生PP高透明は一見同じような透明度ですが、再生のほうがより透明に見えます。ただし気になるレベルでは無いですが表面に少しムラがある様に見えます。透明度でいえば再生PETが最も高いですが、PPよりも柔軟性は低く少し硬くパリッとした感じです。
透明感は次のようなイメージです。
優 再生PET > 再生PP高透明 > PP高透明 > 再生PPとPPナチュラル 劣
透明感をお伝えするため、実際に材料を用意して撮影に挑みましたが…どうでしょう?
被写体より10㎝ほど手前の位置に無地の素材をセットして撮影しています。
①PPナチュラル(通常クリアファイルに使用する素材)
②再生PP(再生率:40%)
③PP高透明(再生ではない)
④再生PP高透明(再生率:100%)
⑤再生PET
①PPナチュラルと②再生PPは見分けがつかないくらいそっくりです。
これ実際に見比べても分からないと思います。
③PP高透明、④再生PP高透明、⑤再生PETも画像では見分けるのが難しいです。
実際に現物を見比べると、透明感やわずかな微妙な色合いに違いがあるのがわかるんですけどね。
●クリアファイルのカール現象対策に有効な再生PET
透明度の高い再生PETは、その透明度の高さゆえ印刷鮮明度(絵柄の鮮明さ)が高いといえます。
しかし、欠点もあります。それは傷付きやすいこと。PPに比べ印刷時や加工時に傷が入りやすく取り扱いには十分な注意が必要です。
でもここで疑問なのが、透明度の高い高透明のPPがあるのになぜPETが使用されるのか…というブブン。
実はこれには、クリアファイル特有の問題点があるんです。
それはカール現象といって、クリアファイルにカタログなどの印刷物を挟んでおくと、クリアファイルの上部が反り返ってしまう現象。そのメカニズムについては割愛しますが、この現象、PPでは起きてしまいますがPETでは起きません。そのためカール現象を防止するためにPETを使用することもあるんです。
●エコマークの表示やグリーン購入法にも対応
再生PPを使用するメリットとしては、再生率40%の場合は「グリーン購入法適合」であることと、再生率100%の場合は、グリーン購入法に適合することに加えて「エコマーク」の表示が可能です。特に再生率100%の場合は高透明タイプとなるため、カラーよりも白を先に印刷する「先刷り白」の印刷手法が映えます。詳しくは下記リンクより解説ページをチェックしてみてください。
では、そろそろまとめてみたいと思います。
①クリアファイルの素材にはPPと再生PP、そして再生PETがある。
②PPには普通と再生タイプがあり、それぞれ高透明タイプがある。
③再生PPには再生率40%と100%があり、100%の方が高透明タイプ。
④再生PP(高透明含む)と再生PETともにグリーン購入法に適合。
⑤再生PP高透明はエコマークの表示が可能。
⑥再生PETは再生PP高透明と同等以上の透明度でPPに比べコシがあり少し硬く重い。
⑦再生PETはクリアファイルのカール現象防止として有効。
いかがでしたか?
見た目は同じ様でも、実は素材に違いがあることもあるクリアファイル。
再生素材にも再生率や透明度などの違いがあることがお分かりいただけたでしょうか?
オリジナルのクリアファイルをお作りになる際にぜひ参考にしてみてください。
再生PPを使用したクリアファイルについては下記リンクもご参考に。
●エコクリアファイル
https://www.sanwasp.com/clearfile/eco_clearfile/