脱プラスチック の潮流に流される前にまず 脱無関心 を。

少し前のことになりますが、あるニュースに驚いたのを覚えています。

自販機からペットボトル排除相次ぐ!!

一瞬目を疑いました。

使用済みのペットボトルのほとんどはリサイクルされて再利用されているはずじゃぁ…
有識者でもなんでもない私ですが、とても違和感を覚えたのでいろいろ調べてみました。

 

便利で生活に溶け込んでいる物が、きちんとリサイクルされてるのであれば排除する必要なんて無いように思うのは私だけ??
だって日本はリサイクル率85%だって話じゃないですか。
それが欧米では20%とか40%みたいなので「減らそう」って動きになるのは理解できるけども。
PETボトルリサイクル推進協議会 http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/comparison.html

地元福山市でもペットボトルはリサイクルのためラベルを剥がして、中を洗って他のプラごみとは分別するってことになってるし、ある自治体ではごみ回収ではなくスーパーや公共施設等に置かれている専用のごみ箱まで捨てに行く必要があるなど、何か「ペットボトル=リサイクル」っていう意識が住民に定着しているように思います。

 

一方で、日本の高いリサイクル率にはカラクリがあって、リサイクルとはいっても実は多くのプラごみが燃やされているってことがあまり知られていないのではないかと思います。
これサーマルリサイクルってやつで、欧米ではリサイクルとして認められていないそう。
日本独自の解釈では熱エネルギーに交換するには効率が良いとかなんとか…。
うーんでも燃やして熱エネルギーにするというのはエコなイメージがしないような…。
そもそもプラごみの回収率の低い欧米(欧州では一部高い国もあるようですが…)との比較はそう単純では無いように思います。

しかも、日本だけでなく欧米ともに大量に出るプラごみの処理を中国に頼ってきたという背景があるのを見過ごしてはなりません。
そもそも今起きている脱プラスチックの世界的な動きは、その中国が2018年にプラごみの引き受けを「やーめたっ!」て言ったとこから始まっているらしいのです。
やはりプラスチックごみを輸出できなくなった影響が大きいのでしょうか?
国内の処理施設はキャパオーバーになっているとの情報もあります。

つまりこういうことですかね?

 輸出先が受け入れ停止 → 国内で処理しきれなくなる → だから減らそう

急な「リデュース」=ごみを減らそう!!って動きの本当の理由はどうやらこれみたいですね。
中でもペットボトルの代替は生活スタイルはそのまま、消費者へアピールするには持って来いな気がします。

 

 

そんな中、つい先日興味深いニュースを見かけました。
それは、米コカ・コーラが今後もペットボトルを継続して使用していくというもの。
急に方向転換できない大企業なりの事情もあるのでしょうが、個人的にはピンとくる内容でした。

ペットボトル継続の理由として…
消費者がペットボトルを必要としていて、消費者無くして事業は成り立たないことを挙げているそうです。
さらにより環境に優しいパッケージにしていくためには消費者も変わっていかないといけないと…。

うーん確かにそう思います。
メーカーまかせではなく消費者が意識を変えることが先、もしくは同時進行ですかね。
そのためにまずは国内のリサイクルの現状を知ること。
企業の打ち出す対策には環境のためというよりも、自社のイメージを落としたくないといった事情も透けて見えますし…。

やはり無関心がよくないのでしょう。
単に「プラスチックを悪者」にするのではなく、消費者自身が無関心をあらためる必要があるように思います。
国内のプラスチックごみが処理しきれなくなる前に、できるだけプラスチックごみを減らしていく必要があるのは確か。
しかしやみくもに脱プラスチックを実践するのではなく、今世の中で起きていることに関心を持ち、ノイズの多い情報の中から本質を読み解くことの必要性を感じますが、どうでしょう?

※文中の画像はイメージです